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自分らしく人生を送るために大切なこと #2

米国事業会社SIOS Technology Corp.で、エンジニアリング部門のvice presidentを務めるサジド・シェイク(Sajid Shaikh)さん。4人の子どもを育てる父として、夫として、また仕事や家庭と両立して学ぶ大学院生として、日々心がけていることを尋ねました。

カルチャー2024年1月23日

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家族の絆を深めるために

―― 子育てではどんなことを心がけていますか?
サジド:人生には2つの大切なことがあると私は思います。1つは、自分が安心できる居場所があるという帰属意識(belonging)。もう1つは誰かに自分の価値や存在意義(significance)を認めてもらうということです。子どもたちがぐずったり、反抗したりするときにはたいていこの2つのうち少なくともどちらかが欠けていることがほとんどです。

もちろん自分の価値や存在意義は、年齢や経験によって変わります。17歳の長男はいまではこちらが何も言わなくても、自発的に家の周りの草刈りや雪かきなどをやってくれます。きっと周囲から任せてもらうことで自分の役割ややりがいを感じているはずです。

平日は家族それぞれに予定があり、なかなか全員が食卓に揃うことは難しいですが、毎週金曜日の夜は家族全員で集まっています。お互いに今週の出来事を振り返り、翌週の予定を共有する場にしています。そこでは1つ約束事があります。「お互いに少なくとも1つはポジティブなことを相手に言葉で伝えよう」というものです。このような我が家のルールは試行錯誤の末に出来上がったものです。子育ての答えは1つではありません。手探りで学ぶ日々はまだまだ続きそうです。

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米国事業会社 SIOS Technology Corp. VP of EngineeringのSajid Shaikhさん

中年の危機と向き合う

―― 仕事と家庭を両立しつつ、43歳のときに大学院に入学したそうですね。
サジド:はい。現在、イリノイ大学でデータ・サイエンスの修士号取得に向け学んでいます。大学院進学を決めたのは、職業人生も折り返し地点に差し掛かり、5年後、10年後の自分がどうありたいか、キャリアの後半で何を成し遂げるのかを考え始めたからです。たしかに、インターネットでいつでも簡単にさまざまな知識を得ることができる時代です。しかし、修士号取得までの期限が設けられた専門の教育機関で体系的に知識を集約し、人生の土台を築くことは有益であると考えました。とはいえ、学業のみに時間を割けませんから仕事と両立するために、オンラインで学べる4年制コースが用意されたイリノイ大学に入学しました。幸い家族も協力してくれています。勉強時間は、子どもたちが就寝した後や週末などでやりくりしています。学びを通じて得られる新たな気づきや発見はとてもわくわくするもので刺激的です。学習や研究を通じて得た学びや経験は、STCでのマネジメントやリーダーシップ人材の育成にも生かしています。

進化するために必要なこと

―― サジドさんがチャレンジをする際に気を付けていることは何でしょうか?
サジド:いきなり高いゴールを掲げて向かうことは禁物です。ベンチプレスを想像してみてください。未経験者がいきなり200kgの重量を持ち上げようとするのは危険です。最初の目標は無理のない重量から始めて、体が順応して筋力がついてきたら、徐々に重量を挙げていくことが最初の目標です。

組織でもいきなり極めて高い目標を掲げてそれをすべて達成することは容易ではありません。大きく考えることは重要ですが、まずは小さなことから始めて、そこから学び、現実に即して定期的に点検し、適応させながら、徐々に規模を拡大させていくことが重要です。これは、リーンとアジャイルの原則であり、人生の多くの努力にうまく適用することができます。

また、私たちは個々のメンバーとの1対1(One on One)での対話や議論を大切にしています。1対1の対話であれば、人々が心地よく、誤解されることなく安心して物事を表現することができるからです。たとえ誤解があったとしても、より明確に説明することができます。お互いの考えや経験を知ることは信頼関係を育むのに役立ちます。良好な信頼関係の下では、仕事の処理速度があがり、会話も弾み、さまざまなハードルをみんなで乗り越えることが可能になります。

リーダー人材を継続的に育てていくことができる組織は、イノベーションを推進し、業績と従業員満足度の向上に貢献することができると私は実感しています。STC、そしてサイオスがさらに進化していくために挑戦し続けたいと思います。

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