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自分らしく人生を送るために大切なこと #1

米国事業会社SIOS Technology Corp.で、エンジニアリング部門のvice presidentを務めるサジド・シェイク(Sajid Shaikh)さん。仕事も家族も大好きと語るサジドさんに、ワークライフバランスを保つ秘訣を尋ねました。

カルチャー2024年1月11日

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コンピューター・サイエンスとの出会い

―― サジドさんの歩みについてお聞かせください。
サジド:私はインドのムンバイ(旧名ボンベイ)で、両親と兄の4人家族で育ちました。ムンバイは人口の多い大都市で中心地は活気にあふれていますが、私の家族は比較的のどかな郊外で暮らしていました。2023年の夏に初めて日本を訪れましたが、高温多湿な気候、サイオス本社のある東京の往来など、生まれ育った故郷と共通するものが多いと感じます。異なるのは、東京の街区はどこも手入れが行き届き、きれいなことです。

父は原子力研究機関の上級科学職員、母は女子高等学校の教師でのちに校長を務めました。両親、特に母からは教育がいかに大切であるかを教えられてきました。その教えは私の子どもたちへも受け継がれています。私がコンピューター・サイエンスに興味を持ったきっかけは、大学でコンピューター・サイエンスを学んでいた兄の影響です。私が高校に入学してまもない頃、兄が授業で使っていた教科書を見せてもらい、アルゴリズムに関するいくつかの練習問題に挑戦してみました。すると、「自分はプログラミングに向いているかもしれない」と思うほど、上手く解けました。その後、私も大学でコンピューター・サイエンスを学び学士号を取得しました。

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米国事業会社 SIOS Technology Corp. VP of EngineeringのSajid Shaikhさん

―― STCではエンジニアチームを統括していますが、マネジメントやリーダーシップに興味を持ち始めたきっかけはなんでしょうか?
サジド:大学卒業後は、英国大手通信業グループの子会社に勤めましたが、のちに米国のソフトウェア製品開発会社に転職しました。ある時、所属部門のマネージャーの代理として1週間にわたる会議に参加するために、急遽、出張することとなりました。出張中、私は顧客の重要な問題を解決する製品について、革新的なアイディアをプレゼンテーションし、会議参加者と計画をまとめました。そして、出張から戻り、チームを率いて製品に新機能を実装するプロジェクトをやり遂げました。ここでやりがいを感じ、マネジメント能力やリーダーシップを磨き、チームを束ねてより難度の高い仕事にチャレンジしたいと思うようになりました。その後、技術部門のリーダーやマネージャーを務めたのち、2019年にSTCへ入社しました。

自分らしい人生を歩むための秘訣

―― ワークライフバランスを保つうえで気を付けていることは何でしょうか?
サジド:私は仕事も家族も大好きです。子育てとは人生で最初にリーダーシップをとる貴重な機会であり、最も重要で挑戦的なことだと思います。私の場合、管理職として歩み始めたのとほぼ同時期に第一子が誕生するという2つのことが同時に起こりました。最初の頃はとても大変だったと記憶しています。夫婦だけで暮らしていた頃のような時間の使い方では、仕事と家庭のバランスは保てません。

私はある書籍に影響を受けて、"人生における本当に大切な優先事項は何か"を週末に考える習慣をつけました。ポイントは、自分自身を俯瞰することです。たとえば、人生を振り返ったとき、何を誇らしいと思いたいでしょうか。オフィスで遅くまで働いていたこと、それとも家族と多くの時を過ごし子どもたちを育てたことでしょうか。人は誰しもいつか死を迎えます。死後、どのような人物として人々の記憶に残りたいでしょうか。「あいつはハードワーカーだったな」「愛情深い父親だったな」「いい夫だったな」――。人生における優先事項を保つために、社会に対してだけでなく家族のために何が重要なのかを考えた後、その週を振り返り、次の週にやるべきことを決め、カレンダーに書き込みます。ゴールから逆算して物事の優先順位とやるべきことがクリアになると、どこでバランスをとるかの要(かなめ)が見つけやすくなります。

私はどちらかというと内向的な性格です。それもあってふだんSNSにほとんど触れません。その時間を優先順位の高いことに充てています。そう考えると内向的な性分は、仕事や家庭のバランスを保つうえで良かったと思うようになりました。(#2に続く

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