The Open Groupの創立25周年イベントで代表取締役社長 喜多伸夫がスピーチ 時代をリードする標準の提案と普及活動に期待
2021年10月26日(CST)から27日(EDT)にかけて、The Open Groupの創立25周年イベントがオンラインで開催されました。同グループのグローバル会員であるサイオスでは、代表取締役社長 喜多伸夫が活動を振り返るとともに、今後の期待を述べました。
テクノロジー2021年10月29日
四半世紀にわたって多くの標準化を推進してきたThe Open Group
The Open GroupはX/Openとして設立され、1996年にOpen Software Foundation との合併により誕生しました。現在50か国以上に850を超えるメンバー組織を擁し、技術標準サービス、認証、研究、トレーニングの分野をリードしています。UNIX®商標の認証機関であり、POSIX®標準を拡張するSingle UNIX仕様(SUS)の技術標準を公開しています。
今回のイベントは2021年10月26日(CST)に上海からスタート。ムンバイ、ロンドン、サンパウロ、サンフランシスコ、そして翌10月27日(JST)より東京、ヨハネスブルグ、ボストンと世界8カ所の拠点から拠点へ順次バトンを渡しながら、持ち回りで運営するバーチャルイベントとして開催されました。東京のイベントでは3時間半にわたり13のセッションが繰り広げられました。
コンピューターの世界に劇的な変化をもたらした標準化とオープン化
The Open Groupメンバー企業の一社としてスピーチしたサイオスの喜多は、The Open Groupとの出会いは1990年代のUNIXワークステーション全盛期の頃と振り返ります。
「それまでのコンピューターはクローズドシステムで、価格も高く誰もが触れられるものではありませんでした。しかしUNIXを起点とするオープン化によって価格が下がり、時間貸しから一人一台の時代へと劇的に変化しました。The Open Groupの活動を知ったのはちょうどその頃です。オープン化と並んで、インターオペラビリティを高める標準化がその劇的な変化に大きな役割を果たしたことを学びました」(喜多)
The Open Groupが発足した翌1997年、喜多はサイオスのルーツとなる会社を創業します。以来、サイオスは一貫してオープンシステムの構築サービスと関連ソフトウェアを柱として業容を拡大してきました。「私もTOGAF9*1の認定を取得し、エンタープライズ・アーキテクチャ標準を弊社の経営に生かしてきました」(喜多)
今後のThe Open Groupに向けた期待として喜多は次のように述べました。
「テクノロジーの進化はあらゆる分野においてディスラプティブ(破壊的な)イノベーションをもたらします。そこには常に混乱と混沌があります。プライバシーやセキュリティに関する問題の深刻化、フェイクニュースの蔓延などはその一端です。標準化はディスラプションを正しい方向に導いてくれると信じています。そしてThe Open Groupが今後も時代の先端を行く標準を社会に提案し続けてくれることを期待しています。我々もグループの一員として少しでも貢献したいと考えています」(喜多)
ゲームチェンジャーとして世界に劇的な変化をもたらす標準化とオープン化。同時に混乱のなかで道を照らす役割を担っていくことが今後さらに期待されます。
*1 The Open Group Architecture Framework バージョン9。エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)の主要な業界標準