サイオスグループ、2025年度事業戦略発表会を開催
2025年2月26日、サイオスグループは事業戦略発表会をオンラインで開催し、中期経営計画に基づく2025年度の成長戦略を発表しました。本稿ではその概要をお伝えします。
製品・サービス2025年3月13日
事業戦略発表会では、サイオス株式会社 代表取締役社長 喜多伸夫、サイオステクノロジー株式会社 取締役 専務執行役員 山﨑靖之、サイオステクノロジー株式会社 APIソリューションサービスラインヘッド 二瓶司の3名が登壇しました。
写真:左から、サイオステクノロジー株式会社 取締役 専務執行役員 山﨑靖之、サイオス株式会社 代表取締役社長 喜多伸夫、サイオステクノロジー株式会社 APIソリューションサービスラインヘッド 二瓶司
成長性のある事業へ注力
サイオスグループは、オープンソースソフトウェア事業を原点とし、社会課題を解決するソフトウェア&SaaSとシステムインテグレーションを提供するテクノロジー企業群です。
2025年度12月期の業績予想は、売上高190億円、営業利益7千万円、経常利益1億6千万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億円です。喜多は「成長性のある事業へ注力することにより営業利益は前年度比で倍増する見通し」と述べました。
併せて発表した中期経営計画では、セグメントごとに成長戦略を策定し、利益成長と資本収益性の向上を図ることで2027年度12月期の売上高は225億円をめざしています。
セグメントを3つのビジネスモデル軸により明確化
成長戦略および報告セグメントは3つのビジネスモデル軸により明確化しました。自社開発のソフトウェア製品およびSaaS製品の開発・販売・サポートをおこなう「プロダクト&サービス」、情報システムの企画から開発運用にわたるサービスを提供する「コンサルティング&インテグレーション」、国内外の先端ソフトウェアの販売とテクニカルサポートを展開する「ソフトウェアセールス&ソリューション」です。
こちらの中期経営計画に基づく2025年度の成長戦略は、「SaaS・サブスク事業に引き続き注力しつつ、未来を見据えて新たな領域を切り開く」です。具体的には3つの柱「SaaS・サブスク事業への継続投資」「生成AIによる事業強化」「APIソリューション事業の拡大」からなります。
- SaaS・サブスク事業への投資
喜多は、主力製品であるクラウド型ワークフロー「Gluegent Flow」とクラウド型統合ID管理サービス「Gluegent Gate」の戦略を中心に説明しました。「両サービスの2024年度合計ARR*1は前年伸長率13%と順調に成長しています。2025年度も引き続き、ARR成長に向けた施策を継続してSaaSビジネスの伸長に取り組んでまいります」(喜多)
- 生成AIによる事業強化
「生成AIによる事業強化」では、お客様への新たな価値提供とともに、自らの業務生産性の向上を図る取り組みを進めており、山﨑は「自社プロダクト・SaaSへのAI適用」「企業向けの生成AIソリューション」「生成AI活用による社内業務効率化の取り組み」の3点を説明しました。
「自社プロダクト・SaaSへのAI適用」では、クラウド型ワークフロー「Gluegent Flow」と複合機向けアプリケーション「Quickスキャン」を例に進捗を報告しました。つぎに「企業向けの生成AIソリューション」では、Azure OpenAIやElasticを用いた生成AIの導入・活用に関するお客様の不安や課題を解消するコンサルティングサービス、ハンズオントレーニング、サポートの拡充への取り組みを紹介しました。最後に「生成AI活用による社内業務効率化の取り組み」では、サイオステクノロジーのソフトウェア開発生産性における工数削減効果が、2023年度の約5~25%から2024年度は約15%~35%に向上した背景や理由を説明しました。
- APIソリューション事業の拡大
二瓶はAPIエコシステムおよび市場の拡大に伴って多くの引き合いがあり、同事業も前年同時期と比べて50%以上の成長を実現したと報告しました。
「APIプラットフォーム上で流通・集積するビッグデータを活用した新規ビジネスを立ち上げるなど、先進的な取り組みを進めるお客様が相次いでいます。さまざまなお客様の取り組みを支援・加速するために、サイオステクノロジーではデータマネジメントやAPIセキュリティなどの領域でソリューションをいっそう強化しています」(二瓶)
また、複数のAIを複数のユーザーやユースケースにおいてAPIを介して利用する際に、データの機密性、可用性、完全性を維持するための基盤サービス「AIエコシステムデザインソリューション」を2024年10月から提供しています。二瓶は「基盤の部分は私どもに任せていただき、お客様がビジネスに集中できる環境づくりを進めてまいります」と意欲を述べました。
以上、事業戦略発表会の内容をダイジェストでお伝えしました。
サイオスグループは「世界中の人々のために、不可能を可能に。」というミッションステートメントの実現に向けて、2025年度も着実に歩みを進めていきますので、ぜひご期待ください。
*1 ARR
ARR(Annual Recurring Revenue)=月末におけるMRR(サブスクリプション契約等に基づき毎月繰り返し得られる収益の月間合計)×12ヶ月
記事の関連情報
- 2024年12月期 決算説明会資料(PDF:1,618KB)